2026年9月刊の学術論文により、Hemospray止血粉が手術不適応の膵癌患者における難治性消化管出血の有效的な制御を確認。日本では複数の医療機関で臨床導入が進む。
東京大学医学部附属病院消化器内科のチームは2026年9月、専門誌『Internal Medicine』に研究結果を発表した。膵癌が十二指腸や胃壁に浸潤して生じる止血困難な出血に対し、内視鏡下で新型止血剤Hemospray(Cook Medical社)を使用した介入療法を対象とした。47症例を検討したところ、単回適用での止血成功率は89%、中央値の持続期間は14日 superieiorであった。
作用機序と処置の特徴
Hemosprayは無機鉱物性雲母と酸化鉄微粒子を主成分とし、体液と接触すると黒色の保護膜を形成して創面を覆う。標準的な治療用内視鏡カテーテルで精密な噴霧が可能であり、腫瘍表面の血管破綻による広範な出血に特に適する。日本消化器内視鏡学会のガイドラインでは、介入治療前の暫定止血手段として推奨されている。
臨床研究の主要データ
- 緊急止血成功率:89%(47例中42例)
- 再出血率:23%(11例で再処置必要)
- 合併症発生率:4%(軽微な粘膜白斑残存)
- 平均入院期間短縮:5.2日
適応と限界
本治療法は主に、腫瘍が消化管壁を浸潤しているが穿孔リスクがない症例、凝固機能の重度障害で手術が困難な患者、姑息的放射線治療まで待機中のケースに適する。腫瘍深部への浸潤出血には効果に限界があり、将来的な内視鏡観察を妨げる可能性があることに留意が必要。国立がん研究センター東病院では、進行期膵癌の支持治療として標準的な選択肢の一つに位置づけている。
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